太陽活動が地球に与える影響

太陽光エネルギーの変化

地球へと降り注ぐ太陽光エネルギーの経年変化。太陽から放射される光の量は太陽活動に伴い変動しますが、その変動率は大変小さいことが分かります。

黒点が消えたとき

太陽活動(黒点数)は、11年周期で変化します。ところが、その活動が長期にわたり止まったことが過去何度かありました。その時期には地球の寒冷化が起こっています。

太陽黒点数の少ない17世紀は、地球全体が寒冷な気候であり、 当時ロンドンのテムズ川が氷結した様子を描いた絵は、これを物語っています。また、太陽活動は 地球上の人間の生産活動にも何らかの影響を与えると考えられています。

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宇宙で生まれた高エネルギー粒子(宇宙線)は、宇宙空間の磁場に沿って地球にやってきます。

太陽面での爆発現象によって磁場が乱されると、地球に来る宇宙線量は減少します。

NHK宇宙銀河オデッセイより

宇宙線と太陽活動

気温と太陽活動

17世紀を支配した寒冷な気候

太陽活動周期が短くなると、北半球の気温は上昇する傾向にあることが報告されています(Friis-Christensen and Lassen, Science, 254, 698-702, 1991)。

太陽活動が静かになると雲が多く、太陽活動が活発になると雲が減る傾向にあることが指摘されました(Svensmark, Phys. Rev. Lett., 81, 5027-5030, 1998)。

これを説明するには例えば次のようなシナリオが考えられる。水蒸気を含んだ暖かい空気は上昇し、上空で冷却される。すると水蒸気を含みきれなくなり過飽和状態となる。一方上空では、宇宙からやってきた銀河宇宙線が大気中でイオンの種を盛んに作り出している。このイオンの種が核となって水は凝結し、小さな水滴や氷の粒になる可能性がある。もちろん塵も凝結核となる。これらが空に浮かんでいるのが雲である。従って宇宙線が増大すれば、理論的には雲量は増大するはずである。但し、この仮説は十分実証されておらず、さらなる研究が必要となっています。