太陽風
彗星の尾
彗星は白く輝く尾だけでなく、太陽からほぼ逆方向にまっすぐ伸びている青白い尾も持っています。この尾は、プラズマと呼ばれる電気を帯びた気体からできています。1951年に ビアーマン 博士は、彗星のプラズマが尾としてなびく様子から、その周囲にもプラズマの流れがあると考え、太陽からプラズマの風が常に吹き出していると予測しました。
宇宙空間を満たす永遠の風
太陽コロナは、100万度を越える高温のプラズマであるため、太陽の強い重力を振り切って宇宙空間へと超音速で絶えず吹き出しています。このプラズマの流れを太陽風といいます。太陽風の存在は、1958年にパーカー博士によって理論的に予言されました。そして、1963年に米国の探査機マリナー2号によって、その存在が確認されました。
太陽風の速度
太陽風は、毎秒300〜800キロメートルもの速さで太陽から吹き出しています。これは、速い太陽風であれば1秒間で東京から岡山まで、遅い太陽風であっても東京から豊橋まで到達できる速さです。
太陽風のエネルギー
太陽風の温度は地球の近くでは10万度もありますが、粒子は1cm3あたり10個程しかなく、ほとんど真空に近い状態です。しかし、この希薄な太陽風が地球へ運んでくるエネルギーは莫大で、日本全国で毎秒消費されるエネルギー量に相当します。